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************************************************************** _/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/ ************************************************************** 第109号 2005/1/9 ▼ まえがき ▼ [製造業の呪縛] 3分の2は開発・実装に関連するサービス収入 ▼ [製造業の呪縛] インドはサービスとしてのソフト開発に専念している ▼ [製造業の呪縛] パッケージ・ソフトが置かれている状況 ▼ [製造業の呪縛] 安くて気の利いたものしか売れなくなる ▼ [製造業の呪縛] 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= まえがき *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 蒲生嘉達(がもう よしさと)です。 ・第102号から「製造業の呪縛」シリーズを連載しています。 ・「製造業の呪縛」シリーズを最初から読みたい方は、 http://www.kei-it.com/sailing/back_maker_service.html を参照してください。 ・バックナンバーはブログでも公開しています。 ブログ: http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/ =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [製造業の呪縛] 3分の2は開発・実装に関連するサービス収入 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 日経コンピュータ2006/1/9号にマイケル・クスマノ氏が書いた 「日本のソフトウェア産業の謎」という記事が載っています。 「製造業の呪縛」シリーズで私が言いたかったことと近いことが 書かれているので、今回その記事を引用しながら、これまでの まとめをします。 第103号、第106号では、「ソフトウェア産業というと、ついつい パッケージ・ソフトを思い浮かべてしまうが、実際にはインハウス 開発の方がはるかに大きい」ということを述べました。 ( http://www.kei-it.com/sailing/103-051128.html http://www.kei-it.com/sailing/106-051219.html 参照) マイケル・クスマノ氏も同じようなことを言っています。 > ソフトウェア産業の3分の1は標準化された製品の販売、残りの3分の2は > カスタマイズやITコンサルティングといったソフトウェア開発・実装に > 関連するサービス収入である。 上記数字にはシステム運用管理やデータ・エントリといったサービスは 含まれていません。これらも含めると、サービス系の比重はさらに大きく なります。 =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [製造業の呪縛] インドはサービスとしてのソフト開発に専念している *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= マイケル・クスマノ氏は、富士通、日立、NEC、CSK、NTTデータなどの 日本のITベンダーは従業員数や売上高では世界屈指のITベンダーだが、 「ソフトウェア企業というよりは、注文でソフトを生産するカスタム・ ショップであり、システム・インテグレータだ」と指摘しています。 ここまでは誰でも言うことですが、マイケル・クスマノ氏は、「それは 日本だけではない」ということを指摘しています。 > 欧州の大部分やインド、中国でも、パッケージ・ソフトの開発より、 > 顧客個別のニーズに応えるためのソフト開発のボリュームのほうが > 大きい。例えばインドは、サービスとしてのソフト開発に専念 > している。 =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [製造業の呪縛] パッケージ・ソフトが置かれている状況 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= マイケル・クスマノ氏はパッケージ・ソフトが置かれている状況 について次のように書いています。 > 世界のパッケージ・ソフト市場は、急激な低価格化やセキュリティ問題、 > 優れたオープン・ソースの登場など、深刻な問題に直面しつつある。 > 現在、パッケージ・ソフト収入の源泉は、インストール・ベースの > ライセンス料金から、保守サービス料金へと移っている これは、第104号( http://www.kei-it.com/sailing/104-051205.html )で 私が言いたかったことです。 パッケージ・ソフトの保守サービスは、工業製品の保守サービスよりも はるかにコストがかかります。 したがって、パッケージ・ソフトで長期的に成功するためには、次の 3つの方法しかないのです。 ・マイクロソフトのような独占企業になって、自分の都合で保守サービスを 打ち切れるようになる。 ・保守サービスで金を取れるビジネスモデルを作る。 (例えば、オープンソースの保守サービスを売っているRed Hat などの Linux ディストリビュータがこれにあたります。) ・保守サービスをセットにした製品企画をする。 (例えば、SAP R/3やオラクルEBSがこれにあたります。) =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [製造業の呪縛] 安くて気の利いたものしか売れなくなる *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= オープン・ソースの台頭、パッケージ・ソフトの急速な低価格化により、 ソフトウェアはコモディティ(日用品)化します。 会計ソフトもCADソフトも既にコモディティ化しています。 コモディティ化とは、100円ショップ化するということです。 安いのは当たり前、安くて気の利いたものしか売れなくなるという ことです。 パッケージ・ソフトだけでなく、カスタム開発もこの巨大な潮流に 引きずられて、価格が下落しています。 これは次のことを意味します。 ソフト会社が開発技術で儲けるためには、極端に安くできるような 優れた生産技術・ノウハウが必要となります。 マイケル・クスマノ氏も「ソフトウェアのコモディティ化が進む ということは、ソフトウェア開発における効率の高さが極限まで 求められる」と言っています。 もしも、開発で儲けられないなら、気の利いたサービスで儲ける ことを考えなければなりません。 =*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [製造業の呪縛] 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 次号以降は次のようなテーマで書く予定です。 ・ブルックスの法則を超えるもの ・贈与と交換 ・ピアレビュー 次号は、1月16日発行予定です。 乞うご期待!! *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 本メルマガについて *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。 創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、 本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、 目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。 したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び 慶と契約している個人事業主を想定しています。 彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。 また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、 ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、 第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する ことにしました。 「まぐまぐ!」での読者数は2006年1月7日現在、450名です。 本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非 本メルマガの存在を教えてあげてください。 (以下をそのまま転送するだけです。) --------------------------------------------------- 【お勧めメルマガ ソフトウェア業界 新航海術】 ⇒ http://www.mag2.com/m/0000136030.htm または http://www.kei-it.com/sailing/ -------------------------------------------------- このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000136030.htm (但し、web@kei-ha.co.jp it@kei-it.com には直接配信しています。) 発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ (発行者Webサイトではバックナンバーの全文検索も可能です。) バックナンバーはブログでも公開しています。 ブログ: http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/ -------------------------------------------------- 発行: 株式会社 慶 代表取締役 蒲生 嘉達 y_gamou@kei-ha.co.jp Webシステム開発事業部 http://www.kei-ha.co.jp ITサービス事業部 http://www.kei-it.com 人材コンサルティング事業部 http://www.k-bank.jp TEL:03-5951-8490 ☆ コピーや配布をされる時はご一報ください ☆ ☆ このメルマガに対するご感想・ご質問はこちらにお寄せください。 ☆ office@kei-ha.co.jp |
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