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******************************************************************** _/_/_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ******************************************************************** 第14号 2004/03/08 ▼ まえがき ▼ 会計の基礎知識を小学生でも分かるような説明で ▼ 損益計算書と貸借対照表 ▼ シンプルな取引 ▼ おまけ:産業資本主義時代の競争・ポスト産業資本主義時代の競争 ▼ 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= まえがき *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 蒲生嘉達です。お疲れ様です。 本メルマガは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している 個人事業主の方々に配信しています。 また、会計の説明で誤りがあるといけないので、金山税理士にも 配信しています。 感想をお持ちなら是非返信してください。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 会計の基礎知識を小学生でも分かるような説明で *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 今週号から「金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社」シリーズを スタートします。 「5年後、システム開発はどのようになっているか?」シリーズが、 技術面から会社の目指すべき方向性を明らかにしたのに対し、 「金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社」シリーズはお金の面から 会社の目指すべき方向性を明らかにします。 「5年後、システム開発はどのようになっているか?」同様、内容 の高度さと読み物としての面白さを兼ね備えたものにしていきます。 さて、お金の話しをするためには、会計の基礎知識を避けて通る ことができません。 しかし、会計というものは本メルマガの読者であるソフトウェア 技術者にとっては最も苦手な分野でしょうから、会計の基礎知識 について超分かりやすい、小学生でも分かるような説明を試みます。 しかも通常行われている教科書的な説明とは異なるので、会計の 基礎知識を既にお持ちの方にとっても新鮮な説明になると思います。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 損益計算書と貸借対照表 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 会計の基本は損益計算書と貸借対照表です。 そして、それぞれを理解すると同時に、両者の関係を理解することが 極めて重要です。 損益計算書は収入と支出を対照的に記録するもので、比較的分かり やすいものです。 それに対し、貸借対照表は資産と負債を対照的に記録するもので、 少しとっつきにくいものです。 本メルマガでは他の教科書のように、個々の概念を厳密に定義 することからは始めません。まず、大雑把に下記のように理解して ください。 資産:現金or売ったら現金になる財産or現金を生み出すもの。 負債:現金を減らすもの。代表的なものが借金。 資本:株主が元々用意したお金+その後会社が稼いだお金。 会計の説明には図表は不可欠です。 そのため、本シリーズでは図表ファイルを添付する場合があります。 本号添付ファイルの図表14-1は、損益計算書と貸借対照表を簡略化 したものです。 まず、図表14-1を参照し、損益計算書は収入と支出を対照的に 記録するもので、貸借対照表は資産と負債を対照的に記録するもので あることを理解してください。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] シンプルな取引 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 水泳を覚えるためにはまず水に飛び込むことが近道です。 それと同様に、一つの取引によって、お金がどのように流れ、 損益計算書、貸借対照表がどのように変化するかを追ってみるのが、 会計を攻略する一番の近道です。 まず「100万円でプログラム開発を請け負って、それを90万円で 協力会社に発注した」という取引について考えてみましょう。 図14-2を参照してください。 @顧客から入金があった時点で、 ・損益計算書で100万円収入が増えます。 ・貸借対照表で資産(現金)100万円、資本(剰余金)100万円が増えます。 A90万円を協力会社に支払った時点で、 ・損益計算書で支出90万円が増えます。 ・この時残る10万円が粗利または売上総利益と呼ばれるものです。 売上総利益=売上−売上原価 です。 ・貸借対照表で資産(現金)90万円、資本(剰余金)90万円が減ります。 Bある時点でその他の経費を支払います。 その他の経費は「販売費及び一般管理費」略して「販管費」と呼ばれ、 事務所代、光熱費、通信費、役員報酬、管理部門の人件費などが 含まれます。今回はそれが10万円であったとしましょう。 ・損益計算書で支出が10万円増え、利益は0円になります。 この利益を営業利益と呼びます。 営業利益=売上総利益−販管費 です。 ・貸借対照表では、資産(現金)、資本(剰余金)ともに10万円減り、 元に戻ります。 Cつまり、この取引はお金が流れただけで、会社の資産、負債には 全く影響がなかったということになります。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* おまけ:[5年後、会社はどのようになっているか?] 産業資本主義時代の競争・ポスト産業資本主義時代の競争 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 産業資本主義時代にも低価格化・短納期化競争はありました。 例えば、1980年代にもNEC、富士通、東芝は国内のPC市場で 競争し合っていました。 しかし、当時の競争は現在のデルに先導された徹底した 低価格化競争とはかなり様相が異なっていました。 1980年頃、PC98の標準的な機種の価格は30万円でした。 その10年後、1990年頃にもPC98の標準的な機種の価格はあまり 変わりませんでした。 確かに性能はUPしましたが、価格は高止まりしていたのです。 消費者もNEC製が安心だからという理由で高くても購入していました。 他のメーカもNECに追随して価格を決めていました。 競争とは言えども、メーカにコントロールされた競争だったのです。 メーカの適正利潤を確保した上での価格競争でした。 今の消費者はメーカにこだわりません。 PCの規格が完全に標準化されたことにより、価格が決定的な 購買動機になってしまったのです。 ポスト産業資本主義の時代とは、全ての業種で標準化が進み、 その結果として価格が決定的な購買動機になる時代です。 そのような時代での低価格化・短納期化競争は産業資本主義時代 よりもはるかに徹底したものになります。 標準に則って仕事をし、その結果に差異性があれば認められる時代 なのです。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 今週号を理解しただけで、あなたは会計のかなりの部分を理解した ことになります。 次回以降は、貧乏ソフト会社、金持ちソフト会社の、お金の流れの パターンを解説していきます。 次号は、3月15日発行予定です。乞うご期待!! -------------------------------------------------- 発行: 株式会社 慶 代表取締役 蒲生 嘉達 y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp TEL:03-5951-8490 携帯:090-1258-6347 |