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○:その他

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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第20号  2004/04/19
  ▼  まえがき
  ▼  「金持ち父さん貧乏父さん」からの引用
  ▼  マクドナルドは不動産業
  ▼  マイクロソフトはIT業界のマクドナルド
  ▼  慶が持つ知識資産
  ▼  第19号の記事について生井さんからの指摘
  ▼ 次回以降の予告

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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している
個人事業主の方々に配信しています。
また、会計の説明で誤りがあるといけないので、金山税理士にも
配信しています。

感想をお持ちなら是非返信してください。


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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 「金持ち父さん貧乏父さん」からの引用
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下記はロバート・キヨサキ著「金持ち父さん貧乏父さん」からの
受け売りです。インデントされている部分は引用です。

> マクドナルドのハンバーガー作りの腕は最高とは言えないかも
> しれないが、ごくふつうのハンバーガーを売ったり配達したり
> する腕前は最高だ。

もっと美味しいハンバーガーを作れる人はたくさんいます。しかし、

> 才能にあふれたたくさんの人が貧乏のままでいる理由は、彼らが
> おいしいハンバーガーを作ることに専念するばかりで、ビジネス
> 戦略についてはまったく無知のままだからだ。
> 彼らはハンバーガーを売ることや配達する技能を磨くことより、
> 最高のハンバーガーを作る技術をきわめることばかりに熱心なのだ。

ここまでなら普通の経営コンサルタントがよく言うことです。
「技術に専念するだけでなく、マクドナルドのように営業や流通を
重視しろ」という教えです。
しかし、ロバート・キヨサキはさらに下記のことを指摘しています。

> マクドナルドの創始者として有名なレイ・クロクがハンバーガーを
> 売っていた理由は、ハンバーガーが好きだったからではなく、
> フランチャイズ店が入居する不動産を『ただで』手に入れたかった
> からなのだ。

ここで『ただで』と言っている意味は次のとおりです。

> マクドナルドのフランチャイズ権を買った人は、レイ・クロクの
> 会社がその店舗にある土地を買うための代金を代わりに支払って
> いるのと同じことをしている。

そして、

> 現在、マクドナルド社は一つの会社としては世界最大の不動産を
> 所有している。・・・(中略)・・・世界各地で、最も地価相場の
> 高い交差点の土地を複数所有している。


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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 マクドナルドは不動産業
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つまり、マクドナルドという会社は、広告では「美味しいハンバーガー
を売っている会社」ですが、実体は「凡庸な味のハンバーガーを
強力な営業と流通で売っている会社」であり、もう一皮むくと、
その営業と流通を支えているものは巨大な不動産であるということが
分かります。
米国マクドナルドの貸借対照表は見ていませんが、おそらく
その貸借対照表の資産欄には、桁外れの不動産が存在している
のでしょう。

バブルの時代、多くの日本企業は不動産や株の含み益に頼った
事業展開をしていました。例えばダイエーのように。
そして、経営コンサルタントたちはそのような財テクの風潮を
あおっていました。
しかし、バブル崩壊でそれらの企業は壊滅的打撃を受けました。
すると、経営コンサルタントたちは一転して、「本業重視」
「持たざる経営」と言うようになりました。
しかし、マクドナルドは60年間一貫して不動産資産を増やす
ことに執着してきました。
下記は「金持ち父さん貧乏父さん」に載っているレイ・クロクと
ある学生との会話です。

レイ:私のビジネスは何だと思うかね?
学生:レイ、あなたがハンバーガーを売っていることは世界中の
   人が知っていますよ。
レイ:そう言うだろうと思ったよ。いいかい、私のビジネスは
   ハンバーガーを売ることじゃない。不動産業だよ。


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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 マイクロソフトはIT業界のマクドナルド
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ここまで考えるとマイクロソフトがマクドナルドに似ていることに
気付きます。

マクドナルドのハンバーガーが味では二流であるのと同様に、
マイクロソフトも技術的には凡庸な会社です。

マイクロソフトはマクドナルドのような莫大な不動産は持って
いませんが、次の二つの重要な資産を持っています。
・MS-WindowsやMS-Officeの知的所有権
・買収によって得た子会社の技術や知的所有権

マイクロソフトはOS独占で得た潤沢な資金を使って、優秀な会社を
買収し、その会社が持っている技術、特許権、著作権を手に入れます。
(親会社が子会社を支配する仕組みは第18号で解説しました。)

私は米国マイクロソフトの貸借対照表も見ていませんが、おそらく
その資産欄には、莫大な子会社の株が存在しているのでしょう。

レイ・クロクが他のハンバーガー屋と異なり、「資産」に強烈な
執着心をもっていたのと同様、ビル・ゲイツも他のプログラマと異なり、
「資産」に熱狂的な関心をもっていたのでしょう。


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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 慶が持つ知識資産
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多くの中小ソフト会社の経営者は、収支つまり損益計算書しか
見ていません。
中小ソフト会社の資産の重要な部分は形の無い知識資産なので、
そのようにならざるを得ないという面もあります。

また、一方では、オリジナルソフトの開発に莫大な投資をし、
破綻する例も少なくありません。
この場合は貸借対照表の資産(投資)が増える同時に、負債(借り入れ)、
資本金が膨れ上がることになります。

上記は知識資産への投資は金をかければ成功するというものでは
ないということを示しています。
逆に言えば金が無くとも頭を使えば効果が出るのが知識資産なのです。

慶が持つ下記の知識資産を意識的に活用し、育てることが重要です。
・顧客
・技術者(正社員、契約社員、個人事業主)
・KSフレームワーク、開発標準
・人材紹介事業のアドバイザー
・著作物(6月には「2010年のシステム開発」を出版します。)


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  [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社]
 第19号の記事について生井さんからの指摘
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個人事業主の生井さんから第19号の記事について下記の指摘がありました。

> 売掛金、買掛金のところの説明で気になったところがありましたので、
> ご連絡いたします。
> 
> >2〜3ヵ月後に売掛金が資産欄で現金に変り、損益計算書の収入欄に
> >売上高として流入します。
> 
> とありますが、売掛金を計上したときの相手勘定が売上高と仮受消費税
> であり、入金時には”現預金/売掛金”の仕訳以外発生しないのが一般的かと
> 思います。
> 
> 買掛金とその支払についても同様です。

通常の会計学では生井さんの指摘は正しいです。
この点は私も理解していて、説明の正確性を追うか、それとも
「資産が現金を生む」「現金が損益計算書の収入欄に流入する」
というイメージを大切にするか、書きながら迷ったところです。

次の機会には、もう一工夫して書きます。


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  次回以降の予告
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次号は、4月26日発行予定です。乞うご期待!!


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発行:
株式会社 慶
 代表取締役  蒲生 嘉達
y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp
TEL:03-5951-8490  携帯:090-1258-6347



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