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○:その他

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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第20号  2004/04/19
  ▼  まえがき
  ▼  [5年後のシステム開発]品質と生産性は比例する
  ▼  [5年後のシステム開発]まず品質、生産性は後からついてくる
  ▼  [5年後のシステム開発]まず短納期、品質は後からついてくる?
  ▼ 次回以降の予告

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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している
個人事業主の方々に配信しています。
また、会計の説明で誤りがあるといけないので、金山税理士にも
配信しています。

感想をお持ちなら是非返信してください。

昨年12月8日に本メルマガを創刊した目的の一つは、連載した記事を
まとめて本にするということです。
多くの漫画や小説が週刊誌に連載された後、単行本になるように、
毎週適度の納期があり、連載途中で読者の反応が得られる方が
書きやすいのです。

現在、第1号から第13号まで連載した「5年後のシステム開発」
を1冊の本にまとめようとしています。
今のところ、3分の2位できています。

しかし、本の執筆は反復のプロセスです。
実際にまとめようとすると、不足している部分もたくさん出てきます。
不足している部分について「5年後のシステム開発」シリーズを
復活します。

また、「ソフトウェア業界航海術」もいずれは改訂したいと思って
います。請負・準委任などの契約面の問題は「航海術」シリーズで
扱っていきます。

さらに、財務や経営面の問題は「お金持ち」シリーズで引き続き
扱います。


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  [5年後のシステム開発]
 品質と生産性は比例する
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常識的に考えると品質と生産性は反比例します。
つまり、普通の仕事では品質を追求すれば、作業量が増え、時間も
かかります。しかし、システム開発では品質と生産性は比例します。
品質が悪いと下記の循環が発生するからです。

@品質が悪い。
A障害・修正に余分の作業と時間が必要となる。
Bスケジュールが遅れる。
C急いで部分的な修正をするので、他の部分に思いがけない影響を
 与えるし、全体のコンセプトが崩れてくる。
 したがって、品質がさらに悪化する。→@へ


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  [5年後のシステム開発]
 まず品質、生産性は後からついてくる
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元来ソフトウェアエンジニアリングの第一のテーマは「品質」でした。

> 1970年代にエンジニアリングの原則をソフトウェア製作に対して
> 適用する目的は、ソフトウェア製品の品質・テスト可能性・安定性・
> 予測可能性を増加させることであったのであって、必ずしも
> ソフトウェア製作の効率性の増進ではなかった。(H.コーキ)

> 品質にこそ焦点を絞るべきなのであり、生産性は後からついて
> くるものなのだ。(ケーパーズ・ジョーンズ)

「まず品質、生産性は後からついてくる」というこれらの考え方は
冒頭に書いた「品質と生産性は比例する」という原則から言っても、
理にかなったことです。


私のSE・PGとしての経験を振り返っても、1980年代は、顧客も
技術者も品質を上げることには熱心でしたが、納期を短くする
ことはあまり気にしなかったと思います。

私がソフトウェア業界に入ったのは1986年です。
私は1986年から1993年までの7年間、富士通製UNIX機の通信制御
ドライバの開発に携わりました。
その当時、富士通ではソフトウェアの品質向上のためのチームが
幾つか存在し、有効に機能していました。
それらのチームは、開発標準、コーディング規約を策定し、富士通
社内の技術者や協力会社の技術者にそれらを遵守するよう指導して
いました。当時はメーカの方が協力会社よりも技術力があったので、
協力会社もそれらの標準に忠実に従っていました。

例えば、レビューのやり方などにも細かい指針がありました。
レビューの方法を指導する資料には、「スケジュールが遅れている
からこそレビューをしろ」と書かれてていたことを覚えています。
スケジュールが遅れていたにもかかわらず、たかだか10Kステップ位の
Cソースを6名が2週間位かけてレビューしたなどという経験もあります。


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  [5年後のシステム開発]
 まず短納期、品質は後からついてくる?
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先に「1980年代は、顧客も技術者も品質を上げることには熱心でしたが、
納期を短くすることはあまり気にしなかった」と述べましたが、
経済状況がそれを許したということでもあります。

今日の強力な「経済のグローバル化による低価格化・短納期化圧力」
の下では、少なくとも顧客サイドでは、まず低価格・短納期に焦点が
絞られるようになってしまいました。顧客の最大の関心事が低価格・
短納期になってしまったのです。

しかし、「品質に焦点を絞る。短納期は後からついてくる」は真実
ですが、「短納期に焦点を絞る。品質は後からついてくる」という
ことは真実ではありません。品質は後からついてきません。

「経済のグローバル化による低価格化・短納期化圧力」は外発的な
要求です。一方、システム開発の本質から来る内発的な要求は
「品質に焦点を絞る、短納期は後からついてくる」です。

したがって、「対顧客では短納期に焦点を絞る。しかし、実作業
としては品質に焦点を絞る。そして結果的に短納期を実現する」
という芸当が必要になってきているのです。


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  次回以降の予告
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次号は、5月3日発行予定です。乞うご期待!!


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発行:
株式会社 慶
 代表取締役  蒲生 嘉達
y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp
TEL:03-5951-8490  携帯:090-1258-6347




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