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************************************************************** _/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/ ************************************************************** 第24号 2004/05/17 ▼ まえがき ▼ [金持ちソフト会社]危ない会社、普通の会社 ▼ [金持ちソフト会社]普通の会社、金持ち会社 ▼ [金持ちソフト会社]梃子の効果 ▼ 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= まえがき *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 蒲生嘉達です。お疲れ様です。 本メルマガは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している 個人事業主の方々に配信しています。 感想をお持ちなら是非返信してください。 今回は「金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社」シリーズです。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 危ない会社、普通の会社 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 「危ない会社」とは (1)儲かっているか儲かっていないか自分で分かっていない会社 (2)運転資本の管理(売掛金と買掛金の管理)をしていない会社 です。 両方ともできて当たり前のことですが、一見立派な大きな会社でも これができていなかったがために突然死するということがあります。 例えば、I○Jのよう・・・。 「普通の会社」とは、リアルタイムに利益管理をし、運転資本の 水準を常時監視している会社です。 この二つは会社が潰れないために最低限やらなければならない ことです。 会社全体の利益管理、運転資本の管理は経営者がやりますが、 案件ごとの損益はリーダも把握しなければなりません。 リーダは自分が担当している案件の売上、粗利、営業利益を 把握しなければなりません。 大きな案件になったり、リーダやメンバーが掛け持ちしていると 曖昧になりがちで、それが大赤字の原因になります。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 普通の会社、金持ち会社 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= しかし、「普通の会社」は「金持ち会社」ではありません。 リアルタイムに損益管理をすることで赤字になることを防ぎ、 運転資本の監視をすることで黒字倒産を防ぎます。 しかし、それだけでは、恒常的に大きな利益を上げて真の資産を 増やしていく金持ち会社にはなれません。 普通の会社にとって利益とは、現場が一生懸命働き、管理職が キチンと管理した結果として発生し、その約半分を税金に取られる ものです。 一方、金持ち会社にとって利益とは最初に「天引き」されるものです。 普通の会社は例えば下記のような事業計画を立てます。 売上5億円、粗利7500万円(粗利率15%)、営業利益2500万円 (営業利益率5%)。 そして上記売上、利益を月ごとに割り振り、売上予算・利益予算を 作り、毎月予実管理(予算と実績の管理)をします。 予実管理は部単位、プロジェクト単位に行います。 これは非常に重要なことであり、今の慶でもまだ不十分です。 このようにすると営業利益は少なくとも赤字にはならないでしょう。 しかし、営業利益が2500万円を大幅に上回ることはありません。 大概は2500万円を少し下回る結果となるでしょう。 例えば営業利益1500万円、税金を630万円払い、税引き後利益は 870万円位になるでしょう。 つまり再投資に回せる金額は870万円です。 外部株主がいる会社だとそこから配当も捻出するので、再投資に 回せる金額はさらに少なくなります。 一方、金持ち会社は利益を「天引き」します。 粗利率が同じであっても、例えば次のようなやり方をします。 売上5億円、粗利7500万円(粗利率15%)、営業利益500万円(営業利益率1%) 営業利益は逆に500万円に減らします。 差額の2000万円を毎月積み立てます。 銀行の定期預金ではなく、全額経費になり解約返戻金が確定している 金融商品で積み立てます。 数年後解約することによって、2000万円全額を現金として受け取り、 その全額を再投資に回すことができます。 それを毎年繰り返すことにより、毎年恒常的に再投資することができます。 このやり方で本当に重要な点は、「節税」ではありません。 「利益を天引きする」という発想です。 上記の普通の会社では、営業利益の目標は2500万円なので、 営業利益の実績は0円〜2500万円の範囲となり、多分1250万円前後と なるでしょう。 一方、金持ち会社では、天引き利益と営業利益の合計は2500万円ですが、 2000万円は確定されているので、天引き利益と営業利益の合計は 2000万円〜2500万円の範囲となり、多分2300万円以上となるでしょう。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [金持ちソフト会社、貧乏ソフト会社] 梃子の効果 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 上記理屈は利益がわずかしか出ていない場合には当てはまりません。 利益の天引きは、キャッシュフローを圧迫するという負の効果を 持ってしまいます。 では、利益率を高めるためにはどのようにすればよいのでしょうか? 下記はマーク・ヴィクター・ハンセン&ロバート・アレン著 「お金持ちになれる1分間の魔法」からの引用です。 > 映画スターは同じ映画を一度しか撮影しない。しかしフィルムは > 千単位でプリントされ、世界じゅうの映画館で上映され、 > 数百万人が入場料を払って鑑賞する。これがいわゆる梃子効果だ。 > 野球選手は野球をプレーする。梃子効果が発生するのは、球場が > 数万人のファンで埋まり、テレビの全国中継が行われたとき。 > 目玉の飛び出るような年俸は、この梃子効果による収入で > まかなわれる。 > それにひきかえ学校の教師が受け持つ生徒の数は、ふつう1クラス > 25〜40人。梃子効果はほとんど望めず、したがって教師の給与は > 相対的に低い。 結局、1対1の商売をしている限り、いくら生産性を上げても利益は たかがしれています。 WEB事ならKSFWで1対多の商売をする、IT事なら一人の営業がもっと 多くの技術者の面倒を見ることが重要です。 それによって、会社の利益率が上がり、技術者へ還元できる金額も 多くなるのです。 私が現在執筆中の「2010年のシステム開発(仮題)」も本格的な 出版をして1対多の商売をします。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 本文中で出てきた「お金持ちになれる1分間の魔法」は水野美紀 主演のNHKよるドラ「ドリーム・90日で1億円」の原案になった本です。 次号は、5月24日発行予定です。乞うご期待!! -------------------------------------------------- 発行: 株式会社 慶 代表取締役 蒲生 嘉達 y_gamou@kei-ha.co.jp http://www.kei-ha.co.jp TEL:03-5951-8490 携帯:090-1258-6347 |