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第54号  2004/12/20
  ▼  まえがき
  ▼  [永久運動の設計] 準委任と人材派遣を分かつもの
  ▼  [永久運動の設計] 常駐SE/PGの自由裁量
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。お疲れ様です。

本メルマガは2003年12月8日に創刊され、第32号(2004年7月12日号)
までは、慶の社員(正社員・契約社員)及び慶と契約している個人
事業主の方々のみに配信していましたが、第33号からは一般の方々
にも公開しております。
発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ で、
バックナンバーを見ることができますし、バックナンバーの全文検索も
できます。

ソフトウェア業界の情報発信基地へと発展させていき、業界に新しい
流れを作っていきたいと願っております。

本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非
本メルマガの存在を教えてあげてください。

(以下をそのまま転送するだけです。)
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  http://www.mag2.com/m/0000136030.htm
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  [永久運動の設計] 準委任と人材派遣を分かつもの
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第53号で次のように予告しました。

> 常駐しているソフトウェア技術者が顧客からの注文を受けて作業を
> すること(準委任)と、派遣社員が顧客から業務の遂行方法に関する
> 指示を受けて作業すること(人材派遣)とは一見似ていますが、
> 根本的な違いがあります。これについては次号で論じます。


たとえば、医者は患者から「病気を治してくれ」と頼まれます。
医者は患者に病状や治療方法について説明し、患者の希望を聞きながら
治療を進めます。
しかし、業務の遂行方法(治療の方法)については、医者は患者の
指示を受けません。

あるいは決算処理を税理士に依頼する場合を考えてみましょう。
決算の数字は、仕掛の扱い、減価償却の扱い(自社開発のソフトウェアを
資産として扱うか、経費として扱うか)などによって、ある程度は
変動します。
税理士は顧客と相談し、要望を聞きながら、数字を確定していきます。
しかし、業務の遂行方法(決算処理そのもの)については、税理士は
顧客の指示を受けません。

専門知識の面で患者と医者、顧客と税理士の間には大きな差があるので、
患者や顧客の側から業務の遂行方法を指示することはあり得ないのです。
医者や税理士は患者や顧客の注文を受けて作業しますが、作業の過程
では専門的知識、経験に基づく自由裁量が認められています。
この「自由裁量の有無」こそ、請負性の有無であり、準委任と人材派遣を
分かつものなのです。


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  [永久運動の設計] 常駐SE/PGの自由裁量
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客先に常駐し、顧客から注文を受けて作業しているSE/PGにも自由裁量が
認められています。

コーダやテスターレベルの技術者なら、現場での指示は全く自由裁量の
ないものになるでしょう。
完全にマニュアル化することが可能だからです。
したがって、コーダやテスターの世界では人材派遣はある程度普及
しています。

一方、プログラミングはどんなに詳細な開発標準があったとしても、
完全にマニュアル化することは不可能です。
プログラミングという作業には、調査すること、考えること、判断すること、
工夫することが不可欠であり、本質的に自由裁量の余地がある仕事なのです。
したがって、実際にSE/PGの世界では人材派遣は普及していません。

> 実際の工場では、プロセスは詳細な手順にまでブレークダウンされて
> いるため、そのプロセスを実行するための機械的なスキルは数時間から
> 数日で簡単に学習できるのです。したがって、ほとんどの工場作業者の
> 訓練はそれほど長くかからず、彼らは単純労働者と分類されるわけです。
> 対照的に、ソフトウェア開発プロセスにおける各工程は、非常に幅の
> 広いものであり、プロセスを実行するには深いスキルが必要となります。
> つまり、単純労働者にソフトウェア開発プロセスを実行させることは
> 不可能なのです。
> (ピート・マクブリーン著「ソフトウェア職人気質」より)



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  次回以降の予告
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次号は、12月27日発行予定です。乞うご期待!!

下記の問題を取り上げます。

・業務請負を中心とするソフトウェア会社の適正規模と最適な組織は?
・一括請負を中心とするソフトウェア会社の適正規模と最適な組織は?


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