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************************************************************** _/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/ ************************************************************** 第77号 2005/05/30 ▼ まえがき ▼ [保存できないエディタ] 「テストのアウトソーシング」アンケート ▼ [保存できないエディタ] アウトソーシングは丸投げではない ▼ [保存できないエディタ] 持ち帰り可、しかし面接は躊躇せず徹底的に ▼ [保存できないエディタ] 発注側が工数を見積もる ▼ [保存できないエディタ] 漸増型開発プロセスでの請負に話は続く ▼ 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= まえがき *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= こんにちは、蒲生嘉達(がもう よしさと)です。 「保存できないエディタ」シリーズをスタートした第57号から 「まぐまぐ!」での読者数が急に増えてきました。 シリーズ開始前は約200名だったのに、今では380名です。 読者も「日本のソフトウェア請負開発は何かおかしい!」という思いを お持ちなのだと思います。 「保存できないエディタ」シリーズをまとめて読みたい方は下記URLを 参照してください。 http://www.kei-it.com/sailing/back_editor.html *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [保存できないエディタ] 「テストのアウトソーシング」アンケート *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 幸地司氏が発行しているメルマガ「中国ビジネス入門」(2005/05/16 第238号)で、本メルマガ第75号「米国でのテストのアウトソース・ビジネス」 が紹介されました。 (http://www.ai-coach.com/backno/cip0238.html 参照) また、幸地司氏は、「海外拠点での『テスト工程のアウトソーシング』、 あなたの会社では可能性ありますか?」というクリックアンケートを 実施しています。 (http://clickenquete.com/a/r.php?Q0005859C74ad 参照) そのアンケートのコメントボードに次のような意見が書き込まれていました。 > テストは、開発会社にとって、エンドユーザに対する責任であり、 > エンドユーザにとって、開発会社に対して、ほしがっている機能が > 手に入ったかどうかの受け入れる検証である。これをアウトソーシ > ングすることは、開発会社が責任を放棄し、エンドユーザが何が手 > に入るかも構わないと言うことを意味する。 実はこのコメントは非常に重要なところをついているのです。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [保存できないエディタ] アウトソーシングは丸投げではない *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 私が第75号( http://www.kei-it.com/sailing/75-050516.html )で 「テスト工程のアウトソーシング」を取り上げた理由の一つは、 アウトソーシングをアウトソーシングする側から捉えたかったからです。 我々はシステム開発受託会社です。 したがって、「請負」を請負う側から捉えてしまいます。 請負契約について書かれている本にも、請負う側の義務は書かれて いますが、請負わせる側の義務はほとんど書かれていません。 せいぜい、「成果物の納入後代金を支払わなければならない」程度です。 その点、「テスト工程のアウトソーシング」をテーマとした場合には、 自然とアウトソーシングする側から見ることができます。 「基本から学ぶソフトウェアテスト」(Cem Kaner,Jack Falk, Hung Quoc Nguyen著)でテストのアウトソーシングについて触れている 章がありますが、そこもアウトソーシングする側から書かれています。 Cem Kanerらはそこで「アウトソーシングは丸投げではない」と強調 しています。 > 自社でテストを行わずに丸投げするのは、無理な注文である。 > 自分たちと同じように、アウトソーシング先の仕事についてもきちんと > 把握し管理すべきである。 これは進捗管理のみを言っているわけではありません。 アウトソーシング先と一緒に働かなければならない、それも優秀な 技術者が一緒に働かなければならないと言っているのです。 > アウトソーシングする場合には、社内のテストチームも一緒に > プロジェクトに参加させることだ。 > アウトソーシングの効果を最大限にするためには優秀な技術者を > 一緒に働かせなくてはならない。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [保存できないエディタ] 持ち帰り可、しかし面接は躊躇せず徹底的に *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= しかし、これは物理的に一緒の場所で働けと言っているわけでは ありません。 日本での「作業請負」「業務請負」は客先常駐を意味します。 しかし、同書での(そして、おそらく米国での一般的な)テストの アウトソーシングは、客先常駐を前提としていません。 例えば、Cem Kanerらは同書で「報告された障害を社内ですべて再現 しておくこと」とも記しています。 これは、アウトソーシング先のテスト場所と社内のテスト場所とが 異なることを示しています。 テスト作業はアウトソーシング先に持ち帰ってやってよいのです。 しかし、それでいてCem Kanerらは「アウトソーシングの契約を結ぶ前に、 技術者の面接を躊躇せず徹底的に行う必要がある」とも言っています。 アウトソーシング先の営業やリーダではなく、実際に担当する技術者の 面接です。 日本では、持ち帰りの請負の場合は「請負だから担当者の選定は 受託会社に任されている。だから、担当する技術者の面接は必要ない」 と言われています。 少なくとも「躊躇せず徹底的に」というレベルの面接は行われません。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [保存できないエディタ] 発注側が工数を見積もる *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= また、同書には、アウトソーシングする側が工数を見積もることを 前提とした記述が、数箇所あります。例えば、次のように。 > 社内より少ないサイクルでテストできると考えるべきではない > 社内で3回テストするつもりなら、アウトソーシング先にも3回分の > 予算を組んでおく必要がある。 ここで第76号で解説した「サイクル型作業による見積もり精度の向上」 http://www.kei-it.com/sailing/76-050523.html が生きてきます。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= [保存できないエディタ] 漸増型開発プロセスでの請負に話は続く *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= ・アウトソーシング先と一緒に働くこと。 ・アウトソーシング先に積極的に介入すること。 ・アウトソーシング先に期待することを限定し、明確化すること。 ・発注側が工数を見積もること。 これなしにテストのアウトソーシングは成功しません。 しかし、これは漸増型開発プロセスでの請負(第74号 http://www.kei-it.com/sailing/74-050509.html 参照) についても言えることではないでしょうか? この点について次号以降で論じます。 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 次回以降の予告 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 次回以降は引き続き下記の項目について書いていきます。 ・見積もりが難しいテスト工程をアウトソーシングする方法 ・ソフトウェア工場よりもテストセンターの方が実現しやすい。 ・テストのアウトソーシングと漸増型開発プロセス 次号は、6月6日発行予定です。 乞うご期待!! *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 本メルマガについて *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。 創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、 本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、 目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。 したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び 慶と契約している個人事業主を想定しています。 彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。 また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、 ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、 第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する ことにしました。 本メルマガの内容に興味を持つであろう方をご存知なら、是非 本メルマガの存在を教えてあげてください。 (以下をそのまま転送するだけです。) --------------------------------------------------- 【お勧めメルマガ ソフトウェア業界 新航海術】 ⇒ http://www.mag2.com/m/0000136030.htm または http://www.kei-it.com/sailing/ -------------------------------------------------- このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000136030.htm (但し、web@kei-ha.co.jp it@kei-it.com には直接配信しています。) 発行者Webサイト: http://www.kei-it.com/sailing/ (発行者Webサイトではバックナンバーの全文検索も可能です。) -------------------------------------------------- 発行: 株式会社 慶 代表取締役 蒲生 嘉達 y_gamou@kei-ha.co.jp Webシステム開発事業部 http://www.kei-ha.co.jp ITサービス事業部 http://www.kei-it.com 人材コンサルティング事業部 http://www.k-bank.jp TEL:03-5951-8490 ☆ コピーや配布をされる時はご一報ください ☆ ☆ このメルマガに対するご感想・ご質問はこちらにお寄せください。 ☆ office@kei-ha.co.jp |
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