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第98号  2005/10/24
  ▼  まえがき
  ▼  [ソフトウェア振替という麻薬] 無借金経営なら赤字の方がいい
  ▼  [ソフトウェア振替という麻薬] 借入れは節税を封じ込める
  ▼  [ソフトウェア振替という麻薬] 先週号の訂正
  ▼  [ソフトウェア振替という麻薬] 次回以降の予告


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  まえがき
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こんにちは、蒲生嘉達(がもう よしさと)です。

・第97号から「ソフトウェア振替という麻薬」シリーズを開始しています。

・「ソフトウェア振替という麻薬」シリーズを最初から読みたい方は、
 http://www.kei-it.com/sailing/back_furikae.html を参照してください。

・バックナンバーはブログでも公開しています。
 ブログ: http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/



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  [ソフトウェア振替という麻薬] 無借金経営なら赤字の方がいい
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多くの人は「会社は利益を出した方がいい」と思っています。
しかし、もしも無借金経営なら、「会社は利益を出さない方がいい」が
正解なのです。

利益が出てその40%を税金に取られるよりも、儲かったお金を帳簿外の
資産にして、決算書上は赤字基調にしておいた方が有利なのです。

儲かったお金を帳簿外の資産にする方法として、次の二つが考えられます。

(1)全額損金型の保険。

(2)岡村吏郎氏が「会社にお金が残らない本当の理由」「裏帳簿のススメ」
 などで提唱している「裏金」。
 (名目は役員報酬にし、経費化するが、役員個人が使えないよう
 別口座にして管理するという方法。)

そのようにして貯えられた帳簿外資産は、多くの会社が借入れを
必要とする局面(事業拡大時の投資、貸し倒れ損失の発生など)で、
営業外収益として帳簿内に還流され、無借金経営を維持します。

またその営業外収益は、全て経費に使われてしまうので、やはり
決算上は赤字基調となり、税金を納める必要はありません。



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  [ソフトウェア振替という麻薬] 借入れは節税を封じ込める
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借入れがある場合はどうでしょうか。

第97号で記したとおり、借入れの返済は経費ではありません。

営業利益であろうと、営業外利益であろうとその利益が返済に
使われた場合は、その利益分は税金がかかってしまいます。

それでも納税を阻止しようとすると、別途その利益分の経費を作ら
なければなりません。
上記(1)(2)の方法のどちらを選ぶにしても、返済分と裏金分の二倍の
現金が必要になるわけで、現実的には無理です。


私は会社を始めたころ、他社が何故決算上の利益を出そうとするのか
不思議でした。
利益の40%を税金に取られてしまうなら、その分、何故社員に還元
しないのか、あるいは、何故役員報酬を増やし次の投資に備えないのか
理解できませんでした。

そして、そのころの私は、「決算上の利益を多く出している会社は、
外部株主が入っているため配当を出さねばならない会社だろう」と
思っていました。(配当は税引き後の利益から出されます。)

しかし、慶がある程度大きくなり、借入れをするようになったとき、
現金を返済に使うと、その分決算上も利益が出てしまうことに気付きました。
借入れは節税を封じ込めるのです。

また、借入れをするようになると、銀行からの評価を常に意識しなければ
ならなくなります。
そして、銀行は決算書のみで融資金額も融資金利も決定します。
「決算書は赤字だけど本当は帳簿外資産があります」と言ったら、
逆に怪しい会社だと思われ、評価を下げられるでしょう。

次のような言い方もできます。

決算上利益が出ているように見えても、借入れの多い会社は利益が
返済に充てられるので、自由に使える金は少ない。
社員への還元、新規投資に回される分は少ないのです。



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  [ソフトウェア振替という麻薬] 先週号の訂正
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第97号で正確でない記述がありましたので、訂正します。

次のように書きました。

> 借入れの返済は経費ではありません。
> したがって、363万円経常利益が出て、その全額を返済に充てたため、
> 手持ちの現金が無くなっても、363万円に対する税金は払わなければ
> なりません。

しかし、金利分30万円は営業外費用になるので、「元本返済分333万円
に対する税金は払わなければなりません」がより正確です。



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  [ソフトウェア振替という麻薬] 次回以降の予告
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次号以降は次のようなテーマで書く予定です。

・ソフトウェア振替
・増資


次号は、10月31日発行予定です。

乞うご期待!!



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