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_/_/_/_/_/_/_/  ソフトウェア業界 新航海術  _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第180号  2007/5/28
  ▼  まえがき
  ▼  [新会社法活用術] (1)トップ・現場指揮官・参謀・補佐役 
  ▼  [新会社法活用術] (2)劉邦・韓信・張良・蕭何
  ▼  [新会社法活用術] (3)機能組織の本質から生まれる機能
  ▼  次回以降の予告
  ▼  慶ネクスト無料セミナー


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  まえがき
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蒲生嘉達です。

5月18日(金)の「会計は会社の心臓セミナー」が好評だったため、
今後は様々なセミナーを企画していきます。
今回は技術系です。
→末尾の「慶ネクスト無料セミナー」参照。


今週号では、「法人」や「株式会社」について語る前段として、
より大きく「機能組織」についてお話しします。

堺屋太一著「組織の盛衰」を参考にしています。
「組織の盛衰」は1993年に出版された本ですが、今読んでも新鮮です。



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  [新会社法活用術] (1)トップ・現場指揮官・参謀・補佐役
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堺屋太一氏は「組織の盛衰」の中で、機能組織には次の4つの機能が
必要だと述べています。

・トップ
・現場指揮官
・参謀
・補佐役

(機能組織の原形図 http://kei-it.com/sailing/2007/sosiki.htm 参照)


それぞれについて簡単に解説します。

【トップ】
トップの役割は次の3つです。
1.組織全体のコンセプトを明確にし、その組織の目的を誤りなく伝えること
2.基本方針の決定と伝達
3.総合調整


【現場指揮官】
機能組織の現場とは、いわゆるライン部門です。
その現場指揮官には次の4つの能力が求められます。
1.専門知識
2.適切な判断力(少なくとも短期的な先見性と決断力)
3.勤勉さ(部下に先がけて実行する勇気と行動力) 
4.部門の大きさに応じた範囲内での人心掌握力


【参謀】
組織のスタッフ部門(企画部、研究開発部)です。
この部門の担当者には次の4つの能力が求められます。
1.創造力
2.情報の収集と分析、広い視野
3.企画に対する積極性


【補佐役】
トップと一体となり、問題の発見と早手回しの解消をする人物です。
補佐役の重視ということが、堺屋太一氏の組織論の特色ですが、
今回はそれについての説明は割愛します。



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  [新会社法活用術] (2)劉邦・韓信・張良・蕭何
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機能組織に属する人間は皆、上記4機能のどれかを担っているのであり、
各担当者に必要な上記能力は、各人が努力すべき方向性でもあります。


さて、これまで使ってきた「機能組織」という言葉について簡単に
説明します。

機能組織とは、外的な目的を達成することを目的とした組織です。
(例:企業、軍隊、官庁など)
一方、機能組織に対立する概念として共同体があり、それは構成員の
満足追及を目的とした組織です。
(例:家族、地域コミュニティなど)


機能組織の上記4機能は、組織の種類の違い(企業、軍隊、官庁など)
を超える原理であり、国や時代をも超える原理です。


実際に、堺屋太一氏は「組織の盛衰」の中で、上記4機能を2200年前の
古代中国の人物を例にして説明しています。次のように・・・。

・劉邦:トップ
・韓信:現場指揮官
・張良:参謀
・蕭何:補佐役

歴史好きの人にはイメージしやすい説明でしょう。

堺屋太一氏によれば、劉邦は
「組織のあり方をよく理解し、永続的な王朝のコンセプトを示し、
基本方針を誤らず、総合調整が巧みで、その結果を人員予算の配分と
人事によく実現した」人物でした。



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  [新会社法活用術] (3)機能組織の本質から生まれる機能
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上記4機能は、機能組織をうまく運営しようとすれば、不完全ながらも、
自然に発生してくる機能です。

それ故に、成功している経営者の多くは、これほど体系的でなくとも、
これに近い考え方を経験的に身に付けていることでしょう。


さて、第179号で、株式会社の次の3機能を示しました。

・決定機能
・執行機能
・監督機能

 第179号:取締役会設置会社と取締役会非設置会社
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/05/post_7fac.html


これは本日お話しした4機能とは似て非なる機能です。
機能組織の本質から導き出されるのではなく、法人の本質から導き出
されるものなのです。

経営の経験か帰納できるものではないのです。
したがって、多くの経営者は誤解しています。



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  次回以降の予告
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最近は、小さな会社でも、「取締役バイスプレジデント」とか「CEO」
という肩書を使う会社があります。
あるいは、取締役会非設置会社でも執行役員があります。

この風潮に対する違和感が、新会社法活用術シリーズ執筆の動機の一つ
となっています。


新会社法活用術シリーズでは、

・取締役会や代表取締役という機関についての正しい理解は、
 「法人」についての正しい理解から得られる。
・それは、従来の会社法も新会社法も同じだし、世界中どこでも
 根本原理は同じなのだ。

というスタンスで書き進めます。


次号は、6月4日発行予定です。


乞うご期待!!



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  慶ネクスト無料セミナー
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日時:6月1日(金)19:00〜20:00 講義
        20:00〜21:00 議論&討論、懇親会
場所:慶ネクスト本社(東京都豊島区池袋1-8-7サン池袋1 405号

内容:初心者向けの基本的な内容です。
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講師:慶ネクスト社員

費用:メルマガ「ソフトウェア業界 新航海術」読者は無料です。

出席希望者は、下記までメールにてお申込みください。

  慶ネクスト管理本部: kn-office@kei-it.com 



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  本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
本メルマガのコンセプトは「読みものとしても面白い慶の事業計画」であり、
目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。

したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び
慶と契約している個人事業主を想定しています。
彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2007年5月28日現在、596名です。


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