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第187号  2007/7/16
  ▼  まえがき
  ▼  [新会社法活用術] (1)機関設計の多様化で会社設立が容易に
  ▼  [新会社法活用術] (2)最低資本金制度の撤廃で会社設立が容易に
  ▼  [新会社法活用術] (3)出資払込金保管証明書も不要になった
  ▼  [新会社法活用術] (4)新会社法の趣旨
  ▼  [新会社法活用術] (5)創業は易し、守成は難し
  ▼  [新会社法活用術] (6)守成=ゴーイング・コンサーン
  ▼  次回以降の予告


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  まえがき
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蒲生嘉達です。

7月14日(土)、愚息を連れて「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・
パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」を見に行ってきました。

愚息を含めてほとんどの子供が、DSを持ってきて、幻のポケモン
「ダークライ」を自分のDSに取り込んでいました。 
( http://www.pokemon-movie.jp/darkpresents/index.html )

任天堂の強さを感じました。

 関連記事:
 第137号:経営理念
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/07/post_54a6.html


さて、今週号は新会社法活用術シリーズです。



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  [新会社法活用術] (1)機関設計の多様化で会社設立が容易に
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会社法が変わり、株式会社を作ること自体は非常に簡単になりました。
その主な理由は下記の2点です。

・機関設計の多様化
・最低資本金制度の撤廃


A.機関設計の多様化

機関設計の多様化については、第178号で解説しました。

 第178号:株式会社の種類
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/05/post_d941.html


以前は、株式会社設立には、取締役3名以上、監査役1名以上が必要
でした。
本当は経営上の必然性はなくても、株式会社にしたいために、
無理やり「取締役3名+監査役1名」という体制を作るということも
よくありました。

しかし、新会社法によって、最低、取締役1名でも株式会社を設立
できるようになりました。
事業の必然性に合わせた機関設計ができるようになったのです。

これが株式会社の設立を容易にしました。



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  [新会社法活用術] (2)最低資本金制度の撤廃で会社設立が容易に
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B.最低資本金制度の撤廃

以前は、最低1,000万円を用意しなければ、株式会社を作ることは
できませんでした。

ところが、新会社法によって、最低資本金制度が撤廃され、極端に
言えば、資本金0円でも株式会社を作れるようになりました。

これも株式会社の設立を容易にしました。



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  [新会社法活用術] (3)出資払込金保管証明書も不要になった
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ここまでは、どの本にも書いてありますが、本メルマガでは、「出資
払込金保管証明書が不要になった」ということも指摘しておきましょう。

以前は、株式会社を作るためには、資本金として1,000万円以上を銀行
口座に預け、銀行から出資払込金保管証明書を発行してもらう必要が
ありました。
そして、その発行手続きに1週間以上かかりました。
つまり、資本金を最低1週間、銀行に置く必要があったのです。

今では、出資払込金保管証明書は不要になりました。
銀行口座の通帳のコピーですむようになったのです。

これによって、設立に要する期間が1週間以上短縮されました。

しかし、これによって、次のようなことをする人も出てきたかも
しれません。資本金1,000万円という体裁が欲しいために・・・。

「本当は資本金は500万円しかないのに、家族や消費者金融などから
数時間だけ500万円借りて、残高1,000万円の口座のコピーを取り、
すぐに返済する。そして、そのコピーを使って資本金1,000万円で設立
登記する。」

経理上は、その人がその資本金500万円を現金として持ち続けて
いるかのように見えます。



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  [新会社法活用術] (4)新会社法の趣旨
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もちろん、これは経理上好ましいことではありませんし、新会社法の
趣旨でもありません。

資本金の大小と企業の資金繰りとは必ずしも関係ありません。
資本金1億円以上でも苦しい会社もあれば、資本金100万円でも
困らない会社もあるのです。

 第100号:倒産したベンチャーの貸借対照表
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/11/bs_2c30.html


「これまでは、事業の必要性とは無関係に、最低資本金を定めていた
ために、財務上は必ずしも必要なくても1,000万円用意しなければ
ならなかったが、これからは、本当に必要な資金で設立すればよい」
というのが新会社法の趣旨です。



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  [新会社法活用術] (5)創業は易し、守成は難し
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このように創業は容易になりました。

しかし、昔から「創業は易し、守成は難し」(十八史略)と言われます。

近年は、下記の理由によって、さらに守成が難しくなっています。

・技術の短命化
・成功確率の低下
 

 関連記事:
 第85号:M&Aが大好きな会社
     (3)成功確率が低く、成功しても寿命が短い
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/07/post_b7f3.html

 第133号:ゴーイング・コンサーン
     (1)9割以上の会社が10年以内につぶれる
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/06/post_6e2f.html
 
 第8号:ポスト産業資本主義の時代
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/cat5663588/index.html


製品やサービスの差異性が、利益の源泉、つまり、企業の動力源です。
近年、その動力源の寿命が短くなったのです。

会社は設立しやすくなり、そして、寿命も短くなっています。



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  [新会社法活用術] (6)守成=ゴーイング・コンサーン
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しかし、9割以上の会社が10年以内につぶれる理由は、差異性(動力源)
の寿命が短くなっただけではありません。

企業を継続的に成長させるためには、動力源をうまく活用する仕組みが
必要なのです。

その仕組みの二大要素が、財務と労務です。

それが「会計は会社の心臓」出版の理由の一つです。

 第185号:財務は重要だが主役ではない
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2007/07/post_0824.html



「創業は易し、守成は難し」の「守成」という字は、含蓄深いですね。
企業でいうなら「ゴーイング・コンサーン」と言い換えてもよいでしょう。

 第133号:ゴーイング・コンサーン
 http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/06/post_6e2f.html



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  次回以降の予告
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次号は、7月23日発行予定です。

乞うご期待!!



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  本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
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彼らには慶社内のメーリングリストで配信しています。

また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
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「まぐまぐ!」での読者数は2007年7月9日現在、602名です。


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