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_/_/_/_/_/_/_/ ソフトウェア業界 新航海術 _/_/_/_/_/_/_/_/_/
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第133号 2006/6/26
▼ まえがき
▼ [永久運動の設計] 9割以上の会社が10年以内につぶれる
▼ [永久運動の設計] ゴーイング・コンサーン
▼ [永久運動の設計] 主力商品は交代し得る
▼ [永久運動の設計] 中央集権的に商品を開発することができない
▼ 次回以降の予告
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まえがき
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蒲生嘉達(がもう よしさと)です。
今週号では、ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)について
解説します。
「永久運動の設計」シリーズに分類します。
「永久運動の設計」シリーズを最初から読みたい方は、
http://www.kei-it.com/sailing/back_forever.html を参照して
ください。
バックナンバーはブログでも公開しています。
ブログ: http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/
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[永久運動の設計] 9割以上の会社が10年以内につぶれる
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9割以上の会社が10年以内につぶれるという話はよく聞きます。
「93.7%の会社は10年以内につぶれる」(岡本吏郎氏)
( http://www.nikkeibp.co.jp/style/bizinno/book/article20040309.shtml )
この数字は私の実感とも一致しています。
慶が有限会社として生まれたのは1998年、社員を雇うようになったのが
2000年、株式会社に組織変更したのが2001年です。
それから今までの間、周囲で多くの会社が立ち上がりました。
しかし、正確に数えたわけではありませんが、それらの約9割が既に
つぶれたか、休眠状態になったか、またはずっと実質的には個人事業の
ままです。
関連記事:第118号「アイデア系ベンチャーは打ち上げ花火」
( http://www.kei-it.com/sailing/118-060313.html または
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2006/03/post_8ea4.html )
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[永久運動の設計] ゴーイング・コンサーン
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> さおだけ屋に限らず、企業というものは継続することが大前提に
> あって、会計用語ではそれをゴーイング・コンサーンという。
> そして、継続するためにはまず利益、なにがなんでも利益が
> なければはじまらない。
>
> (山田 慎哉著「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」より)
多くの経営者は、ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)のために
起業したわけではありません。
自分の持っている技術や商品が「これはいける!可能性がある!」と
信じたからこそ起業したのでしょう。
あるいは、「○○で社会に貢献したい」というような理想に燃えて
起業したのかもしれません。
つまり、先に技術、商品、理想があり、企業の継続はその結果に過ぎ
なかったのです。
「起業した目的は『継続』です」などという経営者にはお目にかかった
ことがありません。
しかし、会社がある程度続き、ある程度の規模になると、逆に会社の
継続が目的となり、技術や商品は(そして理想ですら)、継続の
ための手段となります。
そして、それは自然なことなのです。
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[永久運動の設計] 主力商品は交代し得る
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長期継続が目的であり、技術、商品、理想はその手段であるという
ことはどのようなことを意味するのでしょうか?
まず、「主力商品は交代し得る」ということを意味します。
時代や環境の変化によって企業の主力商品が大きく変化することは、
昔からあることです。
30年間この道一筋という企業は皆無ではありませんが、長続きして
いる企業のほとんどが主力商品の交代を経験しています。
さらに、近年は、下記の理由によって主力商品の交代が加速されています。
・技術の短命化
・成功確率の低下
( 第85号「成功確率が低く、成功しても寿命が短い」
http://www.kei-it.com/sailing/85-050725.html または
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/07/post_b7f3.html 参照)
システム請負開発の場合は、基本となるノウハウはあまり変わらず、
開発環境、実行環境、開発手法、開発言語が変わっていく感じですが、
パッケージ開発、WEBサービスとなると主力商品が目まぐるしく変わって
いきます。
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[永久運動の設計] 中央集権的に商品を開発することができない
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しかも、知的創造型産業では、主力商品の変化が激しいにもかかわらず、
中央集権的、計画的に商品を開発することはできません。
( 第85号「コアになるアイデアは個人からしか生まれない」
http://www.kei-it.com/sailing/85-050725.html または
http://kei-it.tea-nifty.com/sailing/2005/07/post_b7f3.html 参照)
したがって、下記の施策が必要となります。
・思い切った権限委譲を行う。
・新しい技術や分野への挑戦を促す仕組みを作る。
技術、商品、理想の側からではなく、会社の継続の側から考えることは
とりわけ、人事や組織について考えるときに役に立ちます。
それらについては、詳細は別の号でお話します。
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次回以降の予告
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次号以降では次のようなテーマを取りげていきます。
技術系:
・グーグルの衝撃
本を読むこと、ネットで読むこと
ITバブルは詐欺だった(?)
ポスト産業資本主義化はIT革命によって引き起こされたのではない。
グーグルの正体
・メーカからの請負、エンドユーザからの請負
(品質管理、検収、瑕疵担保責任の違い)
・オブジェクト指向再論
・PMBOK
・SEO対策
外国系:
・中国は脅威か?
財務系
・資産と費用
経営系:
・壊れ窓の理論
法務系:
・コンプライアンス
・執行役の裁量の範囲と取締役会の決定権
労務系:
・雇用契約、裁量労働制、個人事業主
・景気回復、新卒の採用難、2007年問題
営業系:
・売れる営業マン
次号は、7月3日発行予定です。
乞うご期待!!
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本メルマガについて
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本メルマガは2003年12月8日に創刊されました。
創刊号 http://www.kei-it.com/sailing/01-031208.html で述べたとおり、
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目的は「事業計画の背後にある基本的な考え方を語ること」です。
したがって、第一の読者としては、慶の社員(正社員・契約社員)及び
慶と契約している個人事業主を想定しています。
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また、多くのソフトウェア会社・技術者が直面している問題を扱っているので、
ソフトウェア会社の経営者、管理者、技術者にとっても参考になると思い、
第33号(2004年7月19日号)からは「まぐまぐ!」で一般の方々にも公開する
ことにしました。
「まぐまぐ!」での読者数は2006年6月24日現在、510名です。
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