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第223号 2009/10/12 [慶2.0]
上は曇、下は雨
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ソフトウェア業界 新航海術
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2009/10/12 『上は曇、下は雨』 ▼ まえがき:凄い時代 勝負は2011年 ▼
[慶2.0] (1)極端に悲観する必要はない ▼ [慶2.0] (2)上は曇、下は雨 ▼
[慶2.0] (3)案件は昨年よりも減っている ▼ [慶2.0] (4)ITサービスの1Q決算、60%超の減益 ▼
[慶2.0] (5)中堅以下ほど利益確保が困難になっている理由 ▼
[慶2.0] (6)我慢の1年、凄い1年、勝負の1年
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まえがき:凄い時代
勝負は2011年 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
蒲生嘉達(がもうよしさと)です。
堺屋太一著「凄い時代
勝負は2011年」が9月2日に発売されました。 ( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062120801/keiitteanifty-22
)
アマゾンの「商品の説明」で次のような刺激的な言葉が書かれていたので、 本日注文しました。
・世界大不況未だ止まず。 ・日本は政治混乱、官僚頽廃。 ・「二番底」のあとには、まったく新しい世界が─。 ・海図のない航海で、座礁せずに進むにはどうするか。
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さて、第222号で次のようなことを書きました。
・日本のソフトウェア会社の仕事のほとんどは、(社内持ち帰りだろうと 客先常駐だろうと)インハウス開発(カスタム開発)、または、その 周辺業務である。
・そして、インハウス開発は広義の「メンテナンス」であり、 パッケージが普及しても、WEBサービスが発達しても、SaaSが登場 しても、そして、不況になっても、そう簡単には無くならない。
・したがって、今後数年間のソフトウェア業界の景気を天気でたとえると、 「曇、ところにより小雨」である。
第222号:「求められる以上にやる」という姿勢 [Blog版]
http://www.gamou.jp/sailing/2009/08/post-6069.html [HP版]
http://www.kei-it.com/sailing/222-090823.html
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「ある一定量の仕事は無くならない」は正しいです。 また、「全面的な雨ではない」も正しいです。
しかし、本号では「曇、ところにより小雨」を次のように修正します。
「上は曇、下は雨」。
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世界経済も、日本経済も底打ちしたと言われています。
「昨年から続いていたシステム開発投資の抑制は2009年7〜9月に底を 打った」(日経コンピュータ2009年9月30日号「景況/IT投資動向調査」)
しかし、中小ソフト会社に流れてくる案件は、昨年よりもむしろ減って いると思います。
零細なソフト会社だけでなく、年商10億〜30億円、社員数100人〜200人 規模の中堅ソフト会社も同じように苦しんでいます。
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何故、システム開発投資の抑制が底を打ったにもかかわらず、 案件が流れないのでしょうか?
日経コンピュータ2009年9月2日号の下記の記事を読めば、 その理由が分かります。
スペシャルレポート 「ITサービスの1Q決算、60%超の減益 製造業不振が影響、外注抑制が中堅以下を直撃」
(この記事の要旨を「新航海術の補足ブログ」に載せておきました。 http://www.gamou.jp/comment/2009/10/it1q60-f86c.html )
同記事では「09年度4〜6月期はIT業界総崩れ」と指摘し、さらに 「中堅以下ほど利益確保が困難になっている」と指摘しています。
何故、中堅以下ほど利益確保が困難になっているのでしょうか。
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中堅以下のソフト会社が仕事を受けるルートは主に次の二つです。
・中小エンドユーザからの一次請け ・大手システムインテグレータからの二次請け、三次請け
この両方のルートについて、中堅以下ほど利益確保が困難になって いるのです。
○中小エンドユーザからの一次請けルート
「システム開発投資の抑制が2009年7〜9月に底を打った」と言っても、 それは年商500億円以上の大企業の話です。
中小ソフト会社が直接取引している中小企業は、新規開発投資をまだ 再開していません。
([新航海術の補足]「上昇基調に入った新規開発投資」の要旨 http://www.gamou.jp/comment/2009/10/post-4f50.html 参照)
○大手システムインテグレータからの二次請け、三次請けルート
大手システムインテグレータも人が余っているので、内製比率を高め、 外注費を減らしています
去年から始まった大手システムインテグレータの内製化策、外注費 抑制策が、去年よりもむしろ今年になって効いてきています。
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あと1年は、中小ソフト会社にとって、我慢の時代が続きます。
しかし、そのトンネルを抜けたとき、どのような世界が待っているの でしょうか。 単純に、2006年、2007年頃の技術者不足時代に戻るとは思えません。
まえがきで紹介した堺屋太一氏の近著の書名は、 「凄い時代
勝負は2011年」でした。
今後1年は、「我慢の1年」であると同時に「凄い1年」であり、 そして「勝負の1年」でもあります。
「凄い時代
勝負は2011年」を読んでからもう一度論じたいと 思います。
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慶 代表取締役 蒲生 嘉達
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