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第240号 2011/9/19 [農家.com]
地這いキュウリ
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ソフトウェア業界 新航海術
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第240号 2011/9/19 『地這いキュウリ』 ▼ まえがき:敬老の日野菜セット ▼ (1)人事のセンスにも通じる ▼
(2)地這いキュウリの方が圧倒的に美味しい ▼ (3)今のお年寄りが子供のころ食べていたキュウリ ▼ (4)摘心以外は放任 ▼
(5)地這いキュウリが美味しい理由 ▼ (6)逆説の野菜 ▼
あとがき
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まえがき:敬老の日野菜セット *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
こんにちは。 (株)慶の蒲生嘉達です。
本日は敬老の日です。
農家.comでは「敬老の日野菜セット」http://www.nou-ka.com/main/show/429 を用意しました。
地這いキュウリ、白ニガウリ、オクラ、モロヘイヤのセットです。 全て、農家.com農園(
http://www.kei-it.com/newsseminar.html#20110214
) で完全無農薬で栽培しました。
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本日は「敬老の日野菜セット」に含まれる「地這いキュウリ」の うんちくを語ります。
ITとは直接的には関係のない話ですが、身近な野菜が持つ頑固とも 言えるほどの個性について感じるセンスは、人事のセンスにも通じる ものだと思います。
また、農業と流通の関係についても考えることができます。
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家庭菜園で作った野菜が美味しい理由の大部分は「自分で作ったから」です。 釣り人が「自分で釣った魚は美味しい」というのと同じです。
中には「無農薬、有機肥料で育てているから、自分で作った野菜は 美味しいのだ」と言う人もいるかもしれません。
しかし、有機栽培をしているプロの農家もいます。 彼らはその土地の風土に合わせて様々な工夫をして、有機栽培をしています。
「有機栽培だから美味しい」と言うなら、有機農法のノウハウが豊富な 有機農家が作る野菜の方が美味しいでしょう。
しかし、キュウリについては、スーパーで売っている慣行農法のキュウリ のみならず、有機農家のキュウリよりも、家庭菜園で作った地這い キュウリの方が、圧倒的に美味しいです。
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上で「家庭菜園で作った地這いキュウリ」と書きました。
昔はキュウリもカボチャやスイカのように「地這い」で育てていました。
冒頭で紹介した「敬老の日野菜セット」に「地這いキュウリ」を入れた 理由は、それが今のお年寄りが子供のころ食べていたキュウリだからです。
しかし、現在、農家が栽培し、市場に流通しているキュウリは、 ほぼ例外なく「立ちキュウリ」(支柱を立てて栽培するキュウリ)です。
地這いキュウリが市場から姿を消した理由は次のとおりです。
a.立ちキュウリの方が場所をとらない。 →ビニールハウスで、大量に、天候に左右されずに栽培できる。 b.地這いキュウリは皮が薄く、しなびやすい。 (立ちキュウリの方が日保ちがよい) c.地這いキュウリは地面に接するので曲がりやすい。 d.地這いキュウリは色むらが出やすい。(地面に接している方が白くなる。) e.地這いキュウリの方が虫や小動物にかじられやすい。
要するに、市場(その背後にいる消費者)が、画一化され、規格化された、 日保ちのよい同一品目を年間を通じて大量に求めた結果として、 地這いキュウリは市場から駆逐されたのです。
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「立ち」と「地這い」は、栽培方法の違いに着目した分類です。 品種に着目した場合は、「節成り型」と「飛び節型」になります。
「節成り型」は小づるの発生が少なく、節ごとに雌花が出るよう 改良された品種です。(だから「節成り」と呼ばれます。) 親づると少数の子つるを支柱に立てて管理し、多くの実を収穫します。 (これが立ちキュウリです)。 色、形の画一化や、皮を硬くする方向にも品種改良されています。
一方、「飛び節型」は、地這いキュウリ用に使われる、昔ながらの 品種です。 ある程度親づるが伸びたら、親づるをカットし(これを摘心と言います)、 たくさん出てくる子づるに実をつけさせます。 雌花が節ごとにはつきません。(だから「飛び節」と呼ばれます。) 摘心以外は放任です。
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地這いキュウリが美味しい理由の一つは、皮を硬くする品種改良が 行われていないからです。
もう一つは、十分に成長してから収穫するということです。
立ちキュウリの場合は長さ20cmくらいで収穫します。 そのようにする理由は次のとおりです。 ・大きくしすぎるとその重量に支柱が耐えられない。 ・小さいうちに収穫した方が、1株からとれる本数が増える。 ・熟れすぎると日保ちがしない。→流通に適さない。
一方、地這いの場合は、重量の制約がないため、立ちキュウリよりも 大きくして収穫することが一般的だと思います。 また、日保ちがしないことも自家消費の場合は、問題となりません。 農家.com農園では、長さ30cmくらい、直径5cmくらいで収穫します。
小さいうちに収穫した方が1株からとれる本数が増えるのは 地這いでも同じですが、キュウリはそのくらい大きくした方が美味しいです。 また、地這いの場合は子づるを放任するので、1株からとれる本数は 立ちキュウリの場合よりも減らないと思います。
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「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんはキュウリについて、次のように 語っています。
>
キュウリという植物は、水を必要とするくせに、乾燥を好むという > 奇妙な性質を持っています。 >
(「あなたの人生に『奇跡のリンゴ』をつくる本」より)
「美味しい方が市場から駆逐された」という逆説も、キュウリという 野菜の奇妙さであり、面白さです。
但し、実際には家庭菜園で地這いキュウリが作られることは稀です。
庭でもベランダでも市民農園でも場所が狭いので、立ちキュウリが 作られます。 家庭菜園の解説本も立ちキュウリを前提に書かれていますし、 市民農園の指導者も立ちキュウリを教えます。
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冒頭にご紹介した「敬老の日セット」で地這いキュウリを味わって みてはいかがでしょうか? 9月末まで販売しています。
「敬老の日野菜セット」http://www.nou-ka.com/main/show/429
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