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第241号 2011/11/19 [業界動向]
縮小均衡
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ソフトウェア業界 新航海術
_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ************************************************************** 第241号
2011/11/19 『縮小均衡』 ▼ まえがき ▼ (1)求職中の40代後半SEからのメール ▼
(2)2008年から2009年にかけて起きたこと ▼ (3)全体的に落ち着きを取り戻しているが・・・ ▼ (4)縮小均衡 ▼
(5)慶は農業と医療で独自サービスを展開 ▼
あとがき:メールの返信
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まえがき *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
こんにちは。 (株)慶の蒲生嘉達です。
最近、農家.com
http://www.nou-ka.com/
では、東日本の農家さん からの出店が増えています。
是非、農家.comにお立ち寄りください。
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先月、約2年間連絡の無かったソフトウェア技術者(年齢:40代後半、 SE/PG経験15年)Sさんから、次のようなメールが届きました。 Sさんは、2009年1月から他業界にいて、今年10月から再度、IT業界 での仕事を探しています。
>
システムエンジニア・プログラマを中心に仕事を探しております。 > しかし、成果が上がらず、景気が悪いのか、どのような状況か判断が >
つきにくくなっています。 > > 現在のIT業界の状態など知ることが出来れば・・・と思います。 >
情報をいただけたら幸いです。宜しくお願いします。
「景気が悪いのか、どのような状況か判断がつきにくくなっています」 というSさんの気持ちは分かります。
後述するように「縮小均衡」と言うべき状況だからです。
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2008年以降、仕事が減った大手元請ソフト会社は自社の雇用を守るために 内製化を進めました。 そのために、中小ソフト会社は倒産したり、余剰人員をリストラしました。
(「システム・ソフトウェア開発業者倒産、7月までに107件--過去最悪に 迫る勢い」
http://japan.zdnet.com/cio/analysis/20418163/ 参照)
その結果、大量の技術者が労働市場に放出されました。
2008年、2009年当時、ハローワークに求人を出したら、その日は朝から 電話が鳴りやみませんでした。 外国籍、高齢者だけでなく、30代の日本人技術者も多数応募してきました。
求人件数が激減したので、求人媒体は大幅なディスカウントをしていました。
関連記事: [新航海術の補足ブログ]ソフト業界は3月を境に技術者余りに転じた http://www.gamou.jp/comment/2008/08/3_fb49.html
[新航海術]第218号
1990年のバブル崩壊と今回の不況の違い Blog版: http://www.gamou.jp/sailing/2009/04/1990-2a70.html HP版:http://www.kei-it.com/sailing/218-090415.html
[新航海術]第229号日本のソフト会社は今後5年で半減する(?) Blog版:
http://www.gamou.jp/sailing/2010/07/5-2083.html HP版:http://www.kei-it.com/sailing/229-100704.html
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今はどうでしょうか?
ハローワークに求人を出しても、応募数は2009年に比べて激減しました。 外国籍、若手技術者の応募は無くなり、応募者は高齢技術者のみと なりました。
求人媒体も通常価格に戻っています。
業界団体の集まりなどで話を聞いても、全体的に落ち着きを取り 戻しているように感じます。
では、景気が良くなったのでしょうか?
そうではありません。
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次のような「縮小均衡」と言うべき状況なのです。
【求職者側】
2010年から2011年にかけて、求職者側では次のことが起きました。
a.
外国人は日本での就職をあきらめて、母国に帰りました。 b. Web開発経験のある若手技術者は転職先を見つけました。 c.
汎用機系技術者など需要の少ない技術者はIT業界での 就職をあきらめて、他業種に転職しました。 d.
未経験者もIT業界での就職をあきらめて、他業種を志望するように なりました。 e.
最後に残った高齢技術者も他業種での転職に向っています。
ハローワークからの求人が減った理由は、景気が回復したからではなく、 滞留している求職者数が減ったからです。
【会社側】
一方、中小ソフト会社側では次のことが起きました。
・業績が悪すぎる会社はつぶれました。 ・大部分の会社は余剰人員をリストラして縮小均衡しました。
中小ソフト会社は、縮小均衡した後も、未経験採用には依然として慎重です。
Web開発経験のある若手技術者を採用をしたがっていますが、 上記b.のとおり、彼らは既に技術者市場から姿を消しています。
その結果、若手のWeb経験者に関しては、若干の人手不足感が漂い、 求人数も増えました。
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業績を回復するためには縮小均衡も必要でした。
しかし、慶は、それだけでなく、農業と医療で独自サービスを展開すべく、 3年前から取り組んでいます。
第233号 医療IT市場 Blog版:
http://www.gamou.jp/sailing/2010/12/it-480b.html HP版:http://www.kei-it.com/sailing/233-101231.html
第236号農業とIT Blog版:
http://www.gamou.jp/sailing/2011/03/it-74c2.html HP版:http://www.kei-it.com/sailing/236-110326.html
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冒頭に紹介したSさんには、次のような返信を書きました。
>
現在の請負、客先常駐の状況は次のとおりです。 > > a. 元請会社がパイを独占しているため、二次請け以下は厳しい状況が >
続いています。 > b. 若手Java技術者を中心に、若手経験者の需要は回復しています。 > c.
COBOL、C、VB案件は無くなりました。 > d. 確実に「量から質」「グローバル化」という2大変化が進行しています。 > e.
日本国内の請負、客先常駐の仕事の総量は、緩やかに減っていくでしょう。
上記e.の「国内市場先細り」という問題は、本メルマガ第232号で 取り上げたことです。
第232号「向い風と追い風と」 Blog版:
http://www.gamou.jp/sailing/2010/11/post-91f4.html HP版:http://www.kei-it.com/sailing/232-101114.html
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本メルマガについて *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
本メルマガの精神については、発行者サイト
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