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ソフトウェア業界 新航海術
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第251号 2014/3/30 『消費税増税について思うこと』
▼ まえがき
▼ (1)一人あたり6.2万円の増税
▼ (2)消費税納税の基本式
▼
(3)消費税にとって企業は単なる通り道
▼ (4)簡易課税業者・消費税免税業者の場合
▼ (5)利益を確保し、社員に還元していく
▼
(6)消費税が抱える別の問題点
▼
あとがき
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まえがき
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こんにちは。蒲生嘉達(がもうよしさと)です。
4月1日からの消費税増税について思うことを話します。
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(1)一人あたり6.2万円の増税
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消費税増税による個人の負担増はどの程度なのでしょうか?
これについて、FRIDAY
4月11日号
に次のように書かれていました。
「3%の増税で約7.5兆円の収入増が見込め、そのうち約5.7兆円が国庫に
入る計算になる。単純に計算すれば赤ん坊から老人まで国民一人当たり
6万2000円ほどの負担増となる。」
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(2)消費税納税の基本式
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消費税増税は、個人にとっては負担大になりますが、企業にとっては
負担増にも負担減にもなりません。
企業は「課税売上の中の消費税−課税仕入の中の消費税」を納税します。
【例1】735円(税35円)の商品を仕入れて1,050円(税50円)で売ったら、
税50円−税35円=15円 を納税する必要があります。
手元に残る現金は、売上1,050円−仕入735円−税15円=300円。
上記計算式の「課税仕入」には、商品仕入だけでなく、原材料費、外注費、
光熱費、通信費なども含まれます。
尚、給与は「非課税仕入」なので消費税の計算には無関係です。
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(3)消費税にとって企業は単なる通り道
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消費税が8%になったら、先の例は次のようになります。
【例2】
756円(税56円)の商品を仕入れて1,080円(税80円)で売ったら、
税80円−税56円=24円 を納税する必要があります。
手元に残る現金は、売上1,080円−仕入756円−税24円=300円。
仕入時期と販売時期で税率が異なる場合はどうでしょうか?
【例3】
3月に735円(税35円)で商材を4月に1,080円(税)で売った場合は、
税80円−税35円=45円
を納税する必要があります。
手元に残る現金は、売上1,080円−仕入525円−税45円=300円。
消費税が5%でも8%でも、仕入時期と販売時期で税率が異なっていても、
手元に残る現金は300円であることが分かります。
企業にとって消費税は通り過ぎるだけのお金です。
消費税にとって企業は単なる通り道です。
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(4)簡易課税業者・消費税免税業者の場合
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上記は、一般課税の消費税課税業者の例であり、簡易課税の場合は
計算方法が異なります。
また、消費税免税業者の場合は、納税ではなく、コスト増の問題となります。
簡易課税業者や消費税免税業者の場合は、もともと益税が発生する
可能性があります。
もともと益税が発生していた場合は、消費増税でその益税が若干増える
可能性があります。
しかし、それは消費増税の問題よりも益税そのものの問題の方が大きく、
国も益税対策を強化しています。
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(5)利益を確保し、社員に還元していく
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最大の問題は、消費税増税によって個人の負担が増加するのに、
会社は利益が増えるわけではないから、多くの中小企業は簡単に給料を
上げられないということです。
マクロ的には、「日本全体の景気を良くし、会社の利益を増やす」が
解決策であり、逆に言えば、景気が良くなったと判断したから安倍首相は
増税の決断をしたのでしょう。
一企業にとっての解決策は、「自助努力によって、利益を確保し、
社員に還元していく」に尽きます。
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(6)消費税が抱える別の問題点
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上で【例1】【例2】【例3】の計算をしたとき、どのパターンでも
会社に残るお金が同じであり、消費税がきれいに会社を通り過ぎて
いくことを確認し、「よくできているな」と思いました。
しかし、この仕組みがうまく機能するのは、会社がきちんと処理する
ことが前提です。
実際には、消費税の通り道であるはずの企業が滞納することも多いようです。
参考記事:中小企業、消費税を“ネコババ”し運転資金確保が常態化?
滞納額突出のワケ
http://biz-journal.jp/2013/05/post_2015.html
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