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第227号 2010/3/19 [技術動向]
クラウドが技術者に与える影響
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ソフトウェア業界 新航海術
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第227号 2010/03/19 『クラウドが技術者に与える影響』 ▼ まえがき ▼ [技術動向] (1)3年半前の記事 ▼
[技術動向] (2)クラウドという巨大な潮流 ▼ [技術動向] (3)クラウドがインフラ系技術者に与える影響 ▼
[技術動向] (4)クラウドがソフトウェア技術者に与える影響 ▼ [技術動向] (5)中小企業から導入が始まる ▼
[技術動向] (6)景気が回復しても以前の状況に戻ることはない
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まえがき *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
蒲生嘉達(がもうよしさと)です。
クラウドの潮流が鮮明に見えてきました。 本日は、クラウドが技術者に与える影響について話します。
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私は2006年10月に「ウェブサービス時代のソフトウェア会社」という 記事を書きました。
第148号:ウェブサービス時代のソフトウェア会社 [Blog版] http://www.gamou.jp/sailing/2006/10/post_8d27.html [HP版] http://www.kei-it.com/sailing/148-061009.html
その記事の要旨は次のとおりでした。
(A)Web2.0の世界では下記の3人のプレーヤーが、主役となる。
・ウェブサービスAPIを提供する巨人 ・厖大なアマチュア群 ・ウェブサービスAPIを利用してインターネットサービスを提供する 小さな会社
(B)基盤系ソフトウェアやミドルウェアは、ウェブサービスAPIや オープンソースに置き換わっていく。 したがって、基盤系やミドルウェアのパッケージ開発は減る。 基盤系やミドルウェアの請負開発も減る。
(C)アプリケーション系パッケージは開発コストとユーザの意識が 乖離する。
(D)アプリケーション系請負開発は単純には減らない。 しかし、競争激化によって価格破壊が進む。
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上記記事は3年半前に書かれたものです。
今読んでも大きな間違いはありませんが、3年半前にはまだぼんやり していた潮流が、ここ数カ月の間にありありと鮮明に見えてきました。
上記記事で「ウェブサービスAPI」と呼んでいるものは、Googleや Amazonがネット経由で提供するプログラミングツールのことです。
それがコンピュータ業界そのものを根底からくつがえすような巨大な 潮流へと進化してきました。
「クラウド」という名前で・・・。
クラウドについての基礎知識は「新航海術の補足ブログ」の下記記事を 参照してください。
[新航海術の補足]クラウドについての基礎知識 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/post-f0cc.html
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クラウドがソフトウェア会社や技術者に与える影響も、鮮明に見えて きました。
まず、インフラ系技術者(ネットワーク技術者、サーバー技術者)が 直接的な影響を受けます。
サーバーは物理的に統合されていきます。 大企業の社内でも、そして地球規模でも、インフラの一極集中が起きます。
そうするとインフラを導入しメンテナンスする技術者の居場所も統合 されていきます。
クラウドベンダー内には少数の極めて優秀なエンジニアが必要ですが、 ユーザ側はクラウドの仕様が理解できる程度の初級技術者または オペレーターで十分という構図になってきます。
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ソフトウェア技術者への影響は比較的緩やかですが、ソフトウェア 技術者の仕事も確実に変化していきます。
上記「ウェブサービス時代のソフトウェア会社」で述べた(B)(C)(D)を 少し書き変えます。
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(B)基盤系ソフトウェアやミドルウェアは、クラウドに置き換わっていく。 したがって、基盤系やミドルウェアのパッケージ製品は減る。 基盤系やミドルウェアの請負開発も減る。
(C)アプリケーション系パッケージも、かなりの部分がクラウドに 置き換わっていく。 置き変わらない部分についてもSaaSとの競争で価格破壊が進む。
(D)アプリケーション系請負開発もある程度減る。 SaaSの利用で案件規模が縮小する。 SaaSとの競争で価格破壊が進む。
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クラウドには「アメリカのクラウドベンダーに囲い込まれる」という 巨大な落とし穴があります。
したがって、官庁、大企業、特に金融系が急速にクラウドに変わると いうことはありません。
変わるとしても「プライベートクラウド」と呼ばれる形態になるでしょう。 プライベートクラウドについては下記記事を参照してください。
[新航海術の補足]クラウドの基礎知識 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/post-f0cc.html
クラウドへの移行は、クラウドベンダーに囲い込まれるという将来的な 巨大なリスクよりも、目先のコストダウンを優先させる中小企業から 始まるでしょう。
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今後景気が回復しても、クラウドの影響によって、インフラ技術者も ソフトウェア技術者も数的な需要はさほど増えないことが予想できます。
それを前提にして事業計画を立てる必要があります。
関連記事:[新航海術の補足]2010年度の慶の戦略 http://www.gamou.jp/comment/2010/03/2010-b090.html
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慶 代表取締役 蒲生 嘉達
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